Macintoshのおとし穴

-「Macを選んでよかった」と思うためのQ&A100-


第一章 Macを選ぶときの落し穴





○過剰な期待は禁物 -Macintoshだって、ただのパソコンです-
・Macintoshっていうと、どうして過剰な期待を持つヒトがおおいのでしょうか。
・Macは夢の人工知能ではありません。だからあなたに代わって企画書を書いてくれるわけはないし、買ったその日から絵がかけたり、音楽ができたりするわけもありませんよ。
・なんとかいったって、しょせんはただのパソコン。というか、DOSマシンよりもっと「文房具」に近い、本当に「道具」って感じのツールです。
・だから、Macなしでもスゴいことができるヒトは、うまく使いこなせば、「名人に名筆」という感じで、もっとスゴいことができます。
・でも、そういう才能のないヒトは、Mac使ったって何ができるというワケではありません。ここを間違えないでね。

○誰に相談したらいいの -Macに詳しいヒトといっても……-
・身近にMacユーザがいれば、何かと安心
・でも、相談する相手にはご用心。Macユーザには2つのタイプがある。
・一つはビジネスパワーユーザ。こういうヒトに聞くのなら、仕事にMacを使おうというヒトでも大丈夫。
・でも、気をつけなくちゃいけないのが「Macおたく」。ところがこういうヒトがMacに詳しいヒトには多いのだ。
・かれらは、Macでマトモに日本語が使えるようになる前から、Macのハードやシステムのスマートさに惚れてしまったマニア。だから、かれらはハードには詳しくても、どう使うかはわからない。
・かれらに相談すると、ビジネスユースからみた場合にはめちゃくちゃなコトを教えてくるコトが多い。相談するときには、相手を選ばなくては。

○Macはひとりに一台必要です
・Macは文房具だ。手になじまないペンでは、気持ちよく文章は書けない。
・だから、使うヒトに合わせて、そのヒトだけのセットアップをして使わなくては本領が発揮できないのだ。
・だから、いままでオフィスにあったパソコンの「常識」ように、1台のマシンをみんなで共用するというのはなかなか難しい。
・共用しようとおもって導入しても、けっきょくは誰かが占有してしまうというコトになりかねない。
・デスクや椅子がひとりひとりにあると同じように、Macはひとりに一台、これが本来の使いかたなのだ。
・将来的にもこれが実現できないようなら、Macなんていれないほうがいいかもしれない。


○カラーにすべきかモノクロか
・なんでもかんでもカラーでなくちゃ、なんて思ってませんか。
・国産パソコンの常識では、ディスプレイといえばカラーとなってしまうのかもしれないが、Macの場合にはそうともいい切れない。
・特に、最終的にモノクロしかでないプリンタからキレイなアウトプットを出したいというDTP的な使いかたの場合は、同じ値段を出しても大きくて使いやすいディスプレイが買えるモノクロも考慮すべきだ。
・特に、日本でもっともビジネス書類として使われているA4タテの用紙が1枚まるごと表示できるポートレートディスプレイは、パーソナルなビジネスツールとしてMacを使いたいときにはベストチョイスといえる。
・本格的にDTPしたいときや、CAD的に使いたいときには、19インチ以上の大型モノクロディスプレイという選択もいい。
・カラーグラフィックを使わないのであれば、Macは必ずしもカラーである必要はない。
・こういうニーズの場合は、ディスプレイをモノクロにしたぶん、プリンタのグレードをあげるほうが賢い選択といえる。
・お金は大事に使おう。

○プリンタはなにがいいの
・ポストスクリプトによるDTPの美しい仕上がり。その処理は、Macの本体でやっているのではなく、プリンタのほうで行なっているのだ。
・QuickDrawPrinterと呼ばれる安いプリンタの場合は、本体のほうで画像としてプリントする印面を仕上げるので、この場合は本体のパワーが必要になる。
・しかし、PostScriptPrinterの場合は、本体は単に画面に表示して編集するだけ。一番パワーのかかる印面の処理は本体ではやらずにすむ。
・だから「キレイなプリント」を多用したい場合は、いい本体に安いプリンタをつなぐよりは、本体のほうは多少非力な機種にしてプリンタをPostScriptPrinterにしたほうが、システム全体のパフォーマンスは高くなるのだ。
・このように、本体よりもプリンタにお金をかけたほうがいい場合もある。
・Macを買うときは本体だけでなく、常にシステム全体のバランスを考えて機種を選ぼう。

○利用目的ごとの最適機種を選ぼう
・よく「Macは高い」と勘違いしているヒトがいる。
・でも、それは「一番高い機種」しかみていないから高くみえるだけだ。
・Macには利用目的にあわせていろいろな機種があり、使いかたによって「ベストチョイス」が必ずある。
・どんな場合にも最上位機種がベストチョイスというワケでもない。だから、使う目的と予算がはっきりしていれば、それにピッタリのシステムが選べる。
・これこそ、自分と同じ目的にすでに使っているヒトに相談してみるのが一番いい。

○どうせサポートがないならやすい店で買おう
・ハードウェア的なサポートはできても、Macの場合は、利用者ひとりひとりにあわせて違う環境になっているのがふつうなので、ソフトウェア的なサポートというのは事実上難しい。
・それは、「あなたの使っている環境でなくては起きないトラブル」というのもMacではしばしば起こる(そういうたぐいのトラブルのほうが多い)からだ。
・こういうトラブルは、自力でなおさなくては対応のしようがないし、それがイヤなヒトは、純正品中心のごくごく標準的な環境で使うべきだ。
・こういう標準環境なら、トラブルがあってもハードメーカー、ソフトメーカーのサポートチームできちんと対応してくれる。
・だから、サポートを期待して高い値段をつけているショップやディーラーで買うのはお金のムダだ。
・一番安い安売りショップを選んで買う。これが賢いMacの買いかただ。
・とくに地方で、身近にMacの安いショップがないヒトは、通販で買える安売りでおなじみの店に注文するのがベストだ。

○自分の責任でやる、これがアメリカ流
・アメリカ的なライフスタイルとは、個人主義だ。自分で責任を持てる限りにおいては、なにをやっても許されるということ。
・たとえば、日本では「飲酒運転」自体が罪とされてしまうが、西欧的な発想では「飲酒運転して事故を起こす」ことは罪だけど、アルコールを飲んでいても自分の責任において安全運転ができているのならおとがめはない。
・Macはいわずとしれたアメリカ製のマシン、だからその設計思想もアメリカ的なライフスタイルを前提にしている。
・だから、Macのハードやソフトは、イジろうと思えばどうでも改造できるし、つなごうと思えばなんでもつなげるし、すべてがユーザに開放されている。
・しかし、イジるときには自分の責任でイジること、という思想がそのウラにはあるのだ。
・いろいろやって、壊そうがダメにしようが、それも含めて個人の自由ということだ。
・この「解放感」がMacの面白さでもあるのだが、あくまでも自分の責任がついてまわることを忘れずにいよう。

○Macはハードも消耗品
・Apple社の方針として、多少陳腐化した旧機種はモデルチェンジするかわりに、どんどん値下げして競争力を持たせるというものがある。
・これは日本のメーカーの方針とは大きく違うので、われわれ日本のユーザにとっては「いつが買いどきか」というタイミングが計りにくい気がする。
・しかし、そんなことはない。
・ハードウェアはいつまでも価値が残ると思っているからいけないので、どんどん減価償却すると思えば、ぜんぜん不思議ではない。
・たとえば5万円安くなっても、その間に5万円ぶん使ったと考えればぜんぜん損はない。
・Macをかったら3年ぐらいで使いきる。もともと文房具なんだから、そういう感じで使おう。鉛筆だって使っているうちに減ってくじゃないか。
○ベストチョイスでやすい買い物をしよう
・パソコンのシステムは、同じコトをやらせるにもいろいろなハードソフトの組み合せかたが考えられる。
・なんでも最高級品を買えるというヒトはイザしらず、ふつう「予算」というモノがあるだろう。
・予算にあわせてベストチョイスが選べるのもMacのいいところ。
・たとえば、会社でMacを使っているヒトが、家でも仕事に使いたいというのなら、プリンタは会社のPostScriptPrinterでプリントアウトするわけだから、予算は本体とソフトに注ぎ込める。
・Macの手はじめに、簡易DTP的なコトがやりたければ、思いっきり予算をプリンタに注ぎ込んで、そのぶん本体とソフトを安いものにするのもいい。
・こうすれば最初からキレイなアウトプットが得られるとともに、レベルがあがってきた時点で本体やソフトを買い換えても、プリンタはそのまま使えるから、長い目でみても有利だ。

○ディスプレイ用のボードはどう選べばいいの
・Macの場合、ディスプレイや本体が同じでも、ディスプレイ用のインターフェースボードによってディスプレイの機能がかわってくる。
・とくにカラーの場合、出せる色調の分解能は、ボードによって決められる。
・同じディスプレイでも、16色だったり、256色だったり、フルカラーと呼ばれる1600万色だったり、出せる色調はボードによって大きく違う。
・こう書くと、なぜかフルカラーをほしがるヒトが多い。
・しかし、フルカラーのボードはとても値が張るうえに、表示速度も遅くなるのだ。
・だから、フルカラーボードを使っていても、1600万色のモードで使うことはビデオから取り込んだ映像のレタッチとか特殊な場合のみで、ふつうはもっと色数の少ないモードでにしていることが多い。
・一般ユーザなら、フルカラーでなくてはいけないという場合はほとんどないだろう。
・ボードも使う目的をよく考えて選ぼう。
・また、ビデオRAM内蔵の機種では一見ボードはまったくいらないような気もする。
・しかし、内蔵の回路は処理が遅いうえに、メインメモリを消費してしまう。
・場合によっては、こういったビデオRAM内蔵の機種でも、インタフェースボードを使ってディスプレイをつないだほうがいいコトもある。

○キーボードも選ぼう
・Macでは、一部の機種をのぞいてキーボードは別売りとなっているので、自分の好きなタイプのキーボードを選ぶことができる。
・パワーユーザの間で人気が高いのは、いまや製造中止になったApple Keyboard(日本名「標準キーボード」)と、Apple II GS用の小型のキーボードだ。
・最近のApple KeyboardIIはタッチのフィーリングが悪いし、Extended KeyboardII(日本名「拡張キーボード」)は、IBM PCのキーボードに慣れたヒト以外にはへんな配列に感じるので人気がない。
・もちろんキートップは英語版、これが常識だ。
○HDの容量はどれだけあればいい
・あればあるにこしたことはないHDの容量。とはいうもののあればあるだけいいというわけでもない。
・あんまり大きくなると、いらないものを入れたまま整理しなくなって、今度は必要なファイルが見つけにくくなったりするコトも多い。
・容量が足りない、っていっている場合のほとんどは、使いもしないフリーソフトウェアとかがたくさん入ったままになっていることも多い。
・へんなグラフィックデータやサウンドファイルとかは、容量も大きいし、必要度も低いし、特に凶悪。
・逆に容量が小さくても、マメにメンテナンスして、いらないファイルをいつも整理していれば、気持ちよく使える。
・ビジネスユースなら、40Mだってうまくやればなんとかなるし、80Mもあれば悠々のハズだよ。

○CD-ROM MO-DISK 外付けHD……どんなときになにが必要?
・外部記憶機器の選択も、目的によって大きくかわる。
・CD-ROMは話題のメディアだが、アプリケーションを使うという面からみると、マルチメディアソフトを「上映」して楽しむような場合をのぞき、CD-ROMから直接たちあげたり読み込んだりして使うというのはあまり考えられず、ハードディスク上にファイルをコピーして使うことが多いだろう。
・今後ソフトの流通媒体として、ファイルの巨大化とともに重要になるだろうが、ユーザ寄りの外部記憶装置ではないので、友人と共同で1台持つとかいうのでも当面は充分だろう。
・MO-DISKは、データの保存用として当面ベストの選択だろう。直接読み書きできるので、バックアップしておいたデータを直接読み込んだり、プログラムをたちあげたりというコトも楽々できるし、スピードもちょっと前のHDぐらいの感じなので充分使える。
・グラフィックデータなどは、直接MO-DISKをHDがわりにつかってもなかなかいいのでは。
・大容量外付けHDは、サンプリングによるハードディスクレコーディングなど、アクセス速度と容量がともに必要とされるヒトにとっては必需品だ。
・何台も持てるならば、お金さえあればベストの選択だろう。
・ただし、これを活用するにはバックアップメディアが必須なので、DATや8mmビデオテープなどを使ったストリーマも同時に購入する必要がある。
・リムーバブルHDは、過渡的なメディアだ。
・しかし現時点においては、内蔵HDで限界を感じたユーザには一番とっつきやすい外部記憶装置だ。
・バックアップ、HDの記憶拡大、いろいろなデータやアプリケーションの仕わけなど、いろいろ使いわけることができる。
・ただ、容量あたりの単価が高いので、特別な目的がはっきりしているヒトには向かないかもしれない。

○限られたお金をどこにかけるか、システム発想がモノをいう
・Macの場合、必ずしも本体に一番お金をかけなくちゃいけないワケでもない。
・目的によってはプリンタにお金をかけたりというように、周辺機器を高級機種にして、本体は下位機種にしたほうがいい場合もある。
・当然、ソフトになにを選ぶかという選択もある。
・それだけでなく、ハードや周辺機器とソフトの組み合せという選択もある。
・ハードもソフトも、必ずしも「大は小をかねない」のだ。
・それだけに、高ければいいだろうみたいな気持ちで「高級」なモノを選ぶと、使う目的によっては裏切られることになる。
・こういうコトをやりないのなら「このスキャナと、このグラフィックソフト」というような、目的にあわせた選びかたをしよう。
・Macを買うときには、まず「なんのために使うのか」が、はっきりしていなくてはいけないというのが鉄則だ。

○ソフトとハードにも相性はある
・Macは、機種間の互換性が高いといわれるが、それはアプリケーションを使ううえでのこと。
・まったく違うハードウェアの作りなので、すべてが同じに動くわけではない。
・その典型的なものが「相性」の問題だ。
・あるアプリケーションは、A、Bどちらの機種でも同じように動くが、別のアプリケーションはAでは動くが、Bでは動かなくなってしまう。
・おなじように、あるINITやCDEVがシステムに悪さをすることはよくあるが、これが機種によって起こったり起こらなかったりする。
・本体によっても起こるし、ディスプレイボードや、外部記憶装置などによってもおこる。
・また、ゲームなど昔に作られたソフトは、古い機種では動くが、新しい機種では動かないということも多い。
・自分の使っている環境でそのソフトがちゃんと動くのか、新しくソフトを買うときには確かめてから買ったほうがいいだろう。

○マウスかトラックボールか
・GUIを多用するMacになくてはならないものといえば、ポインティングディバイス。
・代表的なものはマウスとトラックボールだ。
・マウスはほとんどの機種に標準的についているように、一番ポピュラーなディバイスだ。
・使いやすく、特にグラフィック関係の指示には最も適しているが、デスクのうえにある程度の面積がないと使えない。
・トラックボールはパワーブックに標準でつけられたことからおなじみになりつつある。
・連続的なカーソルキーという感じ使えるため、アイコンを選んだり、テキスト上で選択したりするときには使いやすい。
・場所もとらずに使えるが、グラフィック関係のように大きく動かす必要性のある場合にはちょっと使いにくい。
・ADBには両方とも使えるので、両方つないでおくのが一番いいかも。

○ネットワークしよう
・Macは、もともとネットワーク対応機能をもったマシンとしてとてもユニークな存在だった。
・おまけにSystem7の時代になって、ネットワークの機能が標準で装備されるようになった。
・オフィスでも、家庭でも、Macが2台以上あるところなら、さっそく結んでみよう。
・プリンタの共有とか、データファイルの相互利用とかいった面だけでなく、ネットワーク対応ゲームとかもあるし、新しい世界が広がるよ。

○「動く」と「使える」は大違い
・Macのソフトの場合、パッケージにはほとんどすべての機種が対応機種として書かれているものも多い。
・しかし、対応機種というのは、ハード的に「動く」というコトにすぎない。
・動くからといって、それが実用的に使えるかというと、そうは問屋がおろさない。
・グラフィック系のソフトなど、ある程度のマシンパワーがないと、実用上問題ないレベルで使えないというソフトも多い。
・自分のマシンでどのレベルで使えるか、一回店頭などで確かめてから買いたいものだ。

○君子あやうきに近寄らず -ビジネスユーザなら信頼性が第一-
・次から次へ登場するニューモデルには、つい心ひかれるもの。
・しかし、ニューモデルにすべてのソフトが対応しているわけではない。
・動かない、というならまだしも、使っている最中に時と場合によってトラブルが起きるなんてコトもある。
・ビジネスで使うには信頼性が第一なので、「枯れた」機種を選んだほうがいい結果になる場合も多い。

(92/04)



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