ホルスタイン





バブル期に札幌は薄野で話題になった店に、「ホルスタイン」というのがある。この店は、なんと店の女のコに「超太ったコ」を揃えた、デブ専御用達の店だ。オーナーは、それまでいくつか店をやってきたが、どうも繁盛しない。そこで一つ開き直って、誰もやってない切り口の店をやってみようと、デブ専クラブをオープンしたという次第だ。

しかし、これが大当たり。次から次へとお客が引きも切らなくやってくる。もともと潜在的な「太いコ好き」はそこそこいる。どんなに少なく見積もっても、男性人口の2割は太いコ好きと考えて間違いない。こういう好みを持った男性は、普段は女子プロレスラーの写真集ぐらいしか、その心と体ををなごませてくれるものがない。だから、そういうお店ができれば、繁盛するのも当然だ。

もともと太めのコは、いかにも格好をつけている「美人系」と違って、大らかで性格もいいコが多いので、その手の接客業のお店としては、客受けがいいのもうなずけるところだ。しかしこのホルスタイン、繁盛したのはいいが、オープンして数カ月経つと、店の運営が立ち行かなくなってしまった。それは店の女のコが、どんどん常連さんと結婚して、店を辞めてしまったからだ。

もともと太いコ大好き青少年にとって、一般の目が光っているところでは、それをカミングアウトする勇気はない。だが、ここは違う。ここにはマニアしか来ない。だから安心して心情を吐露し、お店の太い女のコを、思う存分くどけるという次第だ。女のコにとっても、逆にこんなに世の中に太いコの好きな男性が多いというのも、新鮮な発見だったかもしれない。かくいうワケで、ベストカップルが次々と成立。幸せな限りである。

まあ、90年代に入ってからは、風俗系とかでもこの傾向は強まり、専門性の強いお店が増えている。鴬谷とか行くと、その手の店が多いらしい。太いコなんていうのは当然。熟女(おばさん)はもちろん、超熟女(おばあさん)専門店なんてのもある。こうなるとアダルト業界はもともとアイディアの宝庫。次々と登場する新機軸。やはり、趣味というのはこうでなくてはいけない。こういうホンネがどこかで生きている限り、まだ日本も安泰というところでありましょうか。


(97/08/25)



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