Gallery of the Week-Jul.14●

(2014/07/25)



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現代芸術活動チーム目【め】「たよりない現実、この世界の在りか」展
資生堂ギャラリー 銀座

アーティストの荒神明香氏と、南川憲二氏と増井宏文氏のクリエイターチームwah documentのコラボにより組織された現代芸術活動チーム「目」。本展は、2012年より活動を始め、ユニークなインスタレーションで知られた「目」の、東京で初めての展覧会である。
とにかく、行って、見て、感じてほしい。とこれだけ言っておこう。あまりにユニークな作品なので、何を語ってもネタバレになってしまう。先入観なしにこのインスタレーションを見たときのインパクトこそが、この作品の最大の価値だと思うので、これだけは「百聞は一見にしかず」である。
とにかく、コロンブスの卵である。あきらかに、アートの領域を押し広げるインパクトがある。この先に何が出てくるのかまだわからないが、これを推し進めてゆくと、未知の大陸があることは間違いないし、その「蟻の一穴」を抉った作品となることも間違いない。
いろいろ言いたいことはたくさんあるのだが、言えないのが辛いところ。ひとこと、「スマートフォンのカメラのLED照明が、これを鑑賞する上で非常に役に立った」とだけ言っておこうか。とにかく見てください。



7/3w
東京メトロ創立10周年記念 「東京メトロコレクション」×「土木コレクション」
銀座のオアシス 銀座

果たしてこれがここにふさわしい内容なのか、若干の疑問も残るが、国立科学博物館の企画展を取り上げたこともあるので、まあ許される範囲であろう。すでに終わってしまった展覧会を取り上げるというのも、会期との関係で過去に例がなかったわけではない。まあ、夏休みモードも近いので、このあたりはユルく行きたいと思う。とにかく、この展覧会自体が非常にユニークなのだ。
内容は、日本土木学会が100周年を記念し、一年かけて全国を巡回するパネル展示「土木コレクション2014 HANDS+EYES」と、東京メトロ10周年記念の地下鉄建設の記録「東京メトロコレクション」とを合体した、数十点のパネルに渡るかなり大規模な展示である。本来ならば、葛西の地下鉄博物館の企画展示として行う方が適切かもしれないぐらい、内容的にも本格派である。
個人的なことを言えば、内容的には全部知っている範囲の展示ではあるが、やはり多くの人の目に触れるところで、大規模に公開するというのは、改めて見たくなる。基本的に、古い時代の大土木工事は鉄道建設に伴うものが多く、東京メトロとの共同展示ということもあり、かなり鉄道関係の工事に関する記録が多くなっている。
まあ、もともと建築家になりたかったコトもあるし、鉄道関係は趣味でかなり詳しいほうなので、こういうネタはけっこう楽しい。しかし、普段何気なく接している施設に関しての、隠された薀蓄(新永間市街線高架橋というか、東京-新橋間のレンガ造りの高架橋は、松杭の土台の上に載っている、とか)の秘密が解き明かされるという意味では、一般の人にもタモリ倶楽部的な面白さは感じてもらえるだろう。



7/2w
2014 ADC展
ギンザ・グラフィック・ギャラリー 銀座
クリエイションギャラリーG8 銀座

毎年おなじみの、ADC展の時期がやってきた。この2年間ぐらいは、もろど真ん中の仕事をしていたので、ちょっとコメントするのがはばかられ遠慮していたが、今年は半歩ぐらい離れた仕事になったので、大手を振って感想が書ける。もちろん、見に行くだけは、毎回見に行ってたんですがね。
今回は、クリエイションギャラリーG8で行なわれている「一般作品」の部に、妙にパワーを感じた。デザインの力で、技術やテクノロジーをねじ伏せたとでも言うべき、一皮剥けた作品が多かったからだ。デジタルだろうとインダラクティブだろうと、最終的に相手に伝わるのは、その上のコンテンツとしてのデザインである。そしてそのパワーは、オンラインでもオフラインでも一貫して変わらない。
こんなこと、わかっている人の間では、80年代から言われていたことだが、それが周知の事実となるには、インタラクティブな環境がベタで普及し、「ケ」の存在になるコトが必要だったということだろうか。デジタルネイティブな連中の間では、そもそもそこに線などないのだから。まあ、これからはデザインが本来の姿を再び発揮するのだろう。
それに対し、ギンザ・グラフィック・ギャラリーの「会員作品」は、クォリティーはさすがに高いのだが、なにか「芸風」がはっきり出すぎて「想定内」になってしまっている感じが、ちょっと残念である。入口で、離れたところにある作品を見て、誰の作品かすぐわかってしまうというのは、ベテランらしく悪いことではないが、一般作品の元気さに比べると拍子抜けとも言える。次回、何を出してくるか、期待したい。



7/1w
海田 悠 松下真々庵 写真展 「松下真々庵 幸之助哲学が生まれた庭」
パナソニック汐留ミュージアム 新橋

今週は妙に忙しくて、まとまった時間が取れない。そういう時は、近場の無料のところで、というのがいつものパターンなのだが、夏休み企画が始まる前ということもあってか、銀座周辺のギャラリーは端境期。さてどうしたものかと思ったら、汐留ミュージアムが松下幸之助生誕120周年記念企画で、無料の展覧会をやっているではないの。どんなものか、昼休みに覗いてみた。
真々庵は京都南禅寺に接する松下幸之助の邸宅で、由緒ある庭で知られている。1961年に社長から会長になって後、PHP活動を行なうにあたって拠点とした。その非公開の庭を、財界関係の写真で知られる写真家の海田悠氏が撮影した作品で紹介する写真展である。
会場は、松下幸之助氏の哲学を振り返るコーナーと、海田悠氏の写真展のコーナーからなっている。とはいえ、会場にはちゃんと8kだか4kだかの高精細度大型ディスプレイが設置され、そこでも作品が紹介されている。しかし、そのコーナーが妙に注目を集めているのが、なんとも複雑な感じではある。
行った時間帯によるのかもしれないが、会場には観覧者がここでのいつものイベントよりも目立って多い。よくみるとその多くが、パナソニックの関係者だったり、用務でのパナソニックへの来訪者だったりするようだ。そういう意味では、こういう日本メーカー受難の時代だけに、原点である創業者の思想に立ち戻るというのは、意義深いものであろう。




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