Gallery of the Week-Aug.15●

(2015/08/14)



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絵画を抱きしめて Embracing for Painting 「絵画との出会い」
資生堂ギャラリー 銀座

21世紀に入り、ディジタル技術が日常化し、社会構造の基本がタテのつながりからヨコのつながりに変わるとともに、その影響を受けてアートの世界も大きく変わっている。特にグラフィック表現の世界ではこの数年、ディジタルが誰でも使える道具になったことにより、もう一度描いて表現することの原点を問い直すような作品が登場している。
今回の展覧会も、そんな絵画の意味を現代的視点から再定義する試みの一つである。この「絵画を抱きしめて」は、阿部未奈子氏、佐藤翠氏、流麻二果氏という三人のアーティストが、伝統的な手法を踏まえつつ、ポストディジタルの絵画表現のあり方にトライする意欲的な展覧会である。同じメンバーによる二部構成での展示が予定されており、今回の「絵画との出会い」は、その前半戦である。
入るとなにやら、資生堂ギャラリーが美術館っぽいのである。欧州の美術館は、施設全体は大きくても、もともとの建物の構造から、個々の展示室はほどほどの狭さというところも多い。そういう意味では、資生堂ギャラリーの広さでも、充分美術館らしさは演出できる。これは驚くことではないのだ、このところ「狭さ」を生かして、会場全体を一つのインスタレーションとして仕上げる展示が多いだけに、逆に新鮮である。
特に、入口の会談の正面に、流氏の作品を掲出してしまったのは、妙にインパクトがある。コロンブスの卵というか、普通のギャラリー形式の利用で、あそこに作品を飾ったことってあるのだろうか。のっけから、これで一発取られた感じ。三氏の作品も、普通の顔をしているようなフリをして、なかなか一筋縄でいかないふてぶてしさを秘めている。もしかすると、これから美術は相当面白くなるかもしれないという予感も感じさせる。




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