大畑の3日間 その8 -1971年4月6日続き-


「大畑の3日間」シリーズも、もはやカラー編に突入しての第三回。先月のコンテンツを作成してから、4月4日分の新たなネガが発見されたので、その7の内容を改変いたしました。その8に補遺で入れてしまおうかとも思ったのですが、シーケンシャルに載せるのがこの「ミーシー・シリーズ」の基本コンセプトですので、敢えて前回のコンテンツを改変いたしました。これも例外的なんですけどね。ということで、「その7」が4月4日の残りと4月6日のはじめ、「その8」が4月6日の続きということになります。



まずは、4月6日のカラー2カット目。またまたループ線を行く下り混合列車。D51587号機の牽引です。モノクロでいうと、4カット目と5カット目の間にあたるタイミングですね。この時はもう、潔く本務機と後補機を両狙いにするという発想は捨てていましたので、本務機が格好良く撮れることを念頭に置いた絵作りです。ブローニーですので、この下に余計な荒地が写っていますが、狙いは空と煙だったことは明白ですので、上辺と左右を合わせて、下をトリミングしてあります。例の1500l重油タンク機ならではの爆煙とも相まって、なかなか大畑らしからぬカットになっているんじゃないでしょうか。どことなくアメリカっぽい印象なのが面白いですね。


続いて、同じ列車の後補機をお駄賃で撮影します。モノクロの方で確認すると、890号機のようです。しかし本務機の爆煙に比べると、全く焚いていない。給水温め器からの排気が出ているので、給水ポンプ使用中、すなわち力行中であることは確かなのですが、ほぼ完全燃焼状態ということでしょう。この機関助士は相当に優秀なんでしょうね。ところで後ろから3輌目・4輌目はどちらもワム80000ですが、4輌目のヤツは真っ黒です。蒸気機関車現役時代の貨車は、元のカラーがあっても、燻されて黒々となってしまったモノが多かったのを思い出します。やるんなら、このぐらいウェザリングしないとリアルじゃないですよ。


例の「ループ線」の碑の脇を、静かに下ってゆくD51572号機牽引の上り旅客列車。モノクロだと、「その3」の7カット目と同じ列車です。画面をよく見ると、シャッターのタイミングがほぼ同一ですので、これは足踏式に改造したオリジナルのエアレリーズを使用してリモコンで撮影したものとわかります。この当時は、前もってカラーのシャッターポイントを決めておいて、そこに来た時を見計らってリモコンでシャッターを切るという撮り方のほうがカットとしては多かったと思います。そういうワケで、画面の違いは主としてレンズの画角とそれにともなう背景の描写に集中します。カラーの方が周囲ののどかな景色が多く写っている分、高原を行く列車らしい雰囲気が出ているのではないかと思います。


今度は「その4」の最初のカットと同じ、回送のC5748号機を次位に連結した、D51668号機の牽引する上り貨物列車です。位置関係からすると、モノクロのカットのワンテンポあとのシャッタータイミングですので、これは持ち替えで撮影したものと思われます。わずかに発電機の排気が見えるものの、本務機も後補機も絶気ですので、C57は無火回送ながら、重連のようにも見えますね。もともと周りの景色が模型のシーナリーっぽいのですが、列車が絶気だと、模型らしさが一段と高まります。専「撮り鉄」ではなく、模型屋さん出身の人は、ワリと絶気を嫌ったりしませんが、その理由はこういう模型的な雰囲気が生まれるところにあるのではないでしょうか。



(c)2015 FUJII Yoshihiko


「記憶の中の鉄道風景」にもどる

はじめにもどる
inserted by FC2 system