ティーンズのバンド状況



団塊二世を中心とする、ティーンズ達のバンド状況の昨今について、簡単にまとめてみましょう。一応、楽器業界には強いですし、いまでもときどきはモノ書きをやってますので、その範囲でつかんでる状況をお伝えします。

1.ロックは、親子二代の共有物になっている

実際に子供がいるオヤジさん、オフクロさんのヒトは、自分と子供との関わりを考えていただければ容易に理解できると思いますが、音楽、特にロックに目覚めるきっかけとして「親」がでてくるというのが、団塊二世がバンド世代になった、ここ数年の大きな変化です。
いわく、お父さんは酔うとギター出してきて、ビートルズナンバーを歌うとか、ツェッペリンのアルバムをかけるとか……。
再編ブームが続くベテラン・ビッグネームのコンサートとかでも、この傾向は強くて、親子一緒に聴きに来るファンも多いですよね。

2.やる音楽と、聴く音楽の分離が進んでいる

最近は、洋楽、邦楽ともセールスが伸びており、ヒット曲も多いですが、そういう「今の曲」をやりたくてバンドをやる、というヒトは少ないのも特徴の一つです。
そういったハヤリの曲は、カラオケではよく唄うのでしょうが、バンドでは一部の例外をのぞいて、あまりやりません。カラオケがなかった頃は、そのウタを唄いたいからバンドやるというモチベーションも強かったものですから、これは昔と変わってきた点でしょう。
じゃ、なにをやるのかというと、これが不思議と相も変わらず、まず、ビートルズから入って、パープル(ティーンズとか、ディーパーとかいうのもいるが)ゼップというお決まりのコース。つまり、ロックが、エスタブリッシュされたクラシックになってるのです。
かつて、ジャズがそうであったように、過去の名演のコピーから入ってくる感じなのでしょう。ちなみに、ぼくぐらいの30代半ばとかのロックおじさんなら、この手の曲なら、一度音合わせすれば、するすると全曲思い出して奏けてしまいます(笑)が、さすが本物は違う、と喝采間違いなしです。

3.バンド数のワリに、楽器は売れない

日本が楽器大国になったのは、1970年代の半ばです。それから、もう20年。ギターは腐りません。充分使えるギターが、何十万本も、日本中にごろごろしている計算です。
家に一本とか転がっていることも多いわけです。昔みたいに、楽器手に入れるまでにバイトで一苦労。買ったら親に怒られてまた苦労。ってな状況とは違います。バンドはじめるのに、そんなに障壁はありません。
スタジオもいっぱいあります。どこでも大きい音が出せます。だから、ちょっとやってみようというヒトは、いっぱいいるわけです。
でも、真剣にいい楽器かって、自己表現の手段としてバンドやるヒトは、昔と量的には変わらないでしょう。それどころか、今のティーンズには、「時代を作ってきた上の人達のパワーには、どうやったって勝てない」というあきらめがあります。
ぼくらなんかが、学生の頃とかって、先輩のうまいバンド見ると、「絶対負けねえぞ、オレのほうがテクでは劣るが、センスは上だ」とか、とにかく、ツッパリまくったモノです(いまでもそのケは強い)。だけど今の学生とか、ぼくらの世代のおじさんバンドの演奏を聴くと、
「やっぱり、リアルタイムで70年代を生きてきたヒトは、気合いが違いますね。このノリは、ぼくらには出せませんよ」
とか、もろ手を挙げて感激されちゃったりして、喜ぶべきか、悲しむべきか。
なんか、これって、最近の新入社員の乗りに似てますね。

ということで、こと、LM系のバンドについていうなら、今のティーンズの状況は、

"Don't trust under 30!"

てな感じです。元気がないといえば、元気がない。
寂しいことは寂しいけど、自分達がもてはやされる場が多いということは決して悪くないので、複雑な気持ちのオジさんたちでした。




(95/01/13)



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