WindowsとMac-OS




Windowsが、Mac-OSのマネだと思っているヒトがよくいるようです。しかし、これはちと事実誤認ですね。そもそも、Mac-OS自体が、Xeroxの研究所で開発された "ALTO" のパクりからスタートしてますからね。スティーブ・ジョブスはじめ、アップル社の幹部ご一行がゼロックスの研究所を見学して、いたく感激して、これで行こうということになった話は、昔からパソコンに関係していた人の間では有名です。

そもそもGUIとか、オブジェクト指向とかいうコンセプトとはもちろん、GUIで使われるアイコンやマウス操作、果ては画面上で使われる各種メタファーを使ったビジュアルアイデンティティーまで、すべて基本は"ALTO"から来ています。決してMacのオリジナルではありません。

技術の流れを知ってる人なら、みんなわかってるけど、ここをうまくごまかして、自分のアイディアみたいにしちゃったとこがApple社のうまいところですね。でも、これは決してAppleがいけないという意味ではありません。開発したゼロックス自身も商品化できなかったモノを、きちっと実現しヒットさせた商品化力は、称賛に値するモノでしょう。これを評価しないのは、日本メーカーをモノまねと決めつけ、その生産技術をきちんと評価できないのと同じです。

さて、Windows3.1については、基本的な部分がMS-DOSそのままで、その桎梏からのがれられない点を批判する人がいます。しかし、そりゃそうですよ。それを批判するほうがおかしい。批判するようではWindowsの何たるかがわかっていないと言わざるをえません。Windows3.1ってのは、基本的にはDOS上のヴイジュアル・シェル以上のモノではないですからね。ユーザから見える部分では。

Windowsの本質は、あまりにいろいろな規格のボードが乱立した、アメリカのAT互換機環境の中で、すべてのハードを仮想化して、ソフトを開発する際に、決められた手順でドライバさえたたけば、ハードのほうを気にする必要がない環境をととのえるためのものです。つまりWindowsの本質は、ハードを仮想化するドライバ群のほうにこそあるのです。

もちろん、Macにも優れている点があります。それはシステムそのものの機能や、アーキテクチャのビジョンではありません。Macの優れている点は、

各種I/Oポートがオンボードなので、ハードレベルで互換性を取りつついじれる点。
Quick Drawルーチンが、BIOSの機能として実現されている点。

この2点に代表されます。

もちろん、Apple社のビジョンの先進性を評価すべき点もあります。GUIなんて部分は、ある種の「結果」であって、先進性でもなんでもない。先進性があるとすれば、リニアなアーキテクチャと、卓越したBIOS機能の部分です。ただし、この部分は、素人には見えないし、わかりにくい。だけど、明らかにMacの強みは、すべてここからでてきているものです。外から見えちゃう部分には、違いなんてつくりようがありません。

こういう強みがあるからこそ、デザイン関係や音楽関係に代表されるような、Macの強みが活きる領域があるのです。あとは、Windows環境と、はっきりいって50歩100歩でしょう。ぼくは、Mac環境も、Windows環境も、両方とも使っていますが、適材適所といいうか、それぞれつかいわけはおのずとできるものです。ましてやこれからは、ネットワーク時代。WindowsもMacも閉じた環境ではありません。どっちがイイと競うのでなく、それぞれいい所を活かす。こうやってこそユーザーの御利益は大きくなるのです。


(95/05)



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