実社会におけるゲーム理論



人間の組織行動なら、かなりの部分ゲーム理論でカタがつきそうな気がする。でも世間で思うほどゲーム理論が通用しないのは、とりもなおさず「なんにも考えないで行動するバカが、世の中には多い」からですね。あるレベル以上の状況認識力と、あるレベル以上の判断力のあるメンバーばかりの集団では、かなりゲーム理論は通じます。

ところが、なかなか世の中こういうことにはならない。

それは、何が自分にとってのその時点での最善策かとか考えずに、ぼこっとみずから墓穴に入っちゃったりするヒトが少なくないから。そうすると、先の展開を読みに読んでた人は、「自らボケに入る展開などはないもの」と信じて行動していたがゆえに、対応に苦慮する。もちろん、バカはそれで自滅するんだけど、道連れがでてくるのね。だからこまる。これが、難しいところ。ほとんど特攻隊というか、自爆テロだよね。こうなると。

いろんなゲームで「ビギナースラック」ってのがあるのも、これに関係がある。「勝つための試合運び」の基本を極めたプロからすると、初心者の打ち回しは、しばしば予想を越えた自殺手になるけど、その自爆力で、一緒に破壊されちゃって立ち直れなくなるみたいな。百戦錬磨のあいてだからこそ通じる、ブラフとか、フェイントとかは、当然初心者には通じないしね。

ことビジネスの領域というか、金儲けの話に限って使うなら、比較的人間が理性的な判断をすることが多いので、ワリとゲーム理論の応用が利きますよね。というか、元々ゲーム理論っていうのは、金もうけと近代戦のために作られたという話もあるけど。それでも賭けとか負けが込んでくると、そうでない行動に走る人も多いけど。

あと、意外と当てはまるのは、恋愛関係絡みのところ。三角関係とかなると、なにも考えてなくても、意外なほどちゃんと理にかなった行動をしてることも多いですよね。やっぱりね、これはリスクを恐れてるから。失敗したくない、失敗するとイヤだなって思うと、人間行動が理性的になる。当然動きも戦略的になるから、ゲーム理論がハマってくる。でも結局守りに入ると負けというのが世の常だけど。まあ、負けても傷つかないようにしようという選択をするところが、ゲーム理論なんだろうね。

でも主観とか、好みとかで決まる部分は、だめですね。理論化できないから。イメージとか勢いとか、主観的なところで動いてる。だから当然ゲーム理論は当てはまらない。きょうの昼何喰いたいかとかって、戦略じゃないもんね。そもそも一人で動いてるところは、ゲーム理論の範疇じゃないんだから、こりゃ当たり前かな。


(95/05/23)



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