ハイテクノロジーアート国際展 1986





もう終わりになちゃうんだけど、ハイテクノロジー・アート国際展1986なる展示会を、ひょんなことから偶然見ちゃったんで、その感想です。直接、ここの話題と関係があるわけじゃないんですが、ぜんぜん無縁というわけでもないし、他に書くところがないのでお許しを。

会場には、一般公募と主催者側の推薦とによる、ヴィデオアートやテクノオブジェといったたぐいのものが、7・80点ぐらい展示されていました。まあ、入る前からそう思ってはいたんだけれど、たしかにハイテクではあっても、アートとよべるものはほとんどありませんでした(3つくらいはあったけど)。

そういう意味じゃ、仕事柄よく見にゆく、ハイテクを利用した店頭プロモーション・ディスプレイの新技術展、みたいな感じでした。表面的なヴィジュアルのおもしろさだけにたよっているものばかりで、その技術を活用したユニークな表現というところまでいっていない。

ビジュアルインパクトはあるけど、どこがアートなんだろ。という感じの「作品」ばかり。音楽でいうなら、まさ、はじめてシンセがでてきたころの状況みたいですね。10年くらい前なら、シンセで奇妙な効果音みたいな音を出すだけで、みんな腰ぬかしてた。コンピュータグラフィックスとかでてきて、あれがアートの世界で起こってると思えば間違いないでしょう。

やっぱり、あたらしい技術を、アートな表現手段にまで高めるには、表面的なものめずらしさにおどらされない、確固とした感性を持った、卓越したアーティストが必要なんですね。CGやヴィデオには、技術者や職人はいても、本当の芸術家は、まだあらわれていないようです。もっとも、これは音楽と同じで、絵画や彫刻の世界にも、単なる職人にすぎない人は多いようですが。本当に才能ある人って、そんなにいないんですよね。

(1986年8月29日)



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