ジャズ川柳

(その1〜その6)





新シリーズ登場。題して、JAZZ川柳シリーズ。

第一回は、クルセイダース篇。
じゃ、いってみまーす。

           今は昔
             テキサス魂
                どこへやら

やっぱり、「4人いないと、クルセイダースじゃない」っていう人、多いよね。
"SCRATCH"なんて、今聞いても涙が出るよ。
次、いきまーす。

           クルセイダース
             ラリーいなけりゃ
                シャカタクか

また、シャカタクを出してしまった。でも、ニューアルバム、問題多いですねぇ。
比較的、評判はいいみたいだけど・・・・。
で、次。ラリーが出てきたとこで。

           カールトン
             忘れた頃に
                ソー・ホワット

ほんと、最近話題になってますが、あれが4年前にでてりゃ、フュージョンもちょっとはちがった道を歩んでたんじゃないでしょうか。
はい、次。

           ジョー・サンプル
             どれを聞いても
                ジョー・サンプル

"Rainbow Seeker”以降の彼、あきらかに手を抜いてますね。同じパターンで、流してる。この辺に、シャカタクのルーツがありそうだ(また、言ってしまった)。
次、最後。

           ウィルトンの
             ソロに名月
                ひかり添え

クルセイダースのライブに行ったことのある人なら、わかるよねぇー。
みなさん、年とりました。はい。
でも、黒人用のアデランスって、あるのかな。

で、おまけは、ちょっとちがうネタで。

           ジャズの巨人
             今ならAIDSで
                あの世行き

どっからどう見ても、ハイリスクグループだね。彼らは。

というわけで、うけても、うけなくても、当分ネタがあるのでやっちゃいます。
よろしく。

-----------------------------------------------------------------------------

ほんじゃ、第2回いってみましょう。
今回は、とくにテーマを決めずにいってみたいとおもいます。

まずは、ヨーロッパの話題から。

           ドイツでは
             メタルとテクノと
                フリージャズ

だいたい、ヨーロッパでも、奥の方や寒い方に行くと、人外魔境。
想像を絶する世界になるのだが、音楽だとドイツから先がやばい。
一般向けのポップスは、彼の地にはないのだろうか。
メインストリームは、彼の地にはないのだろうか。
と、なやんだとこで、もういっちょヨーロッパのネタ。

           ECM
             エコーなしでは
                間がもたぬ

ニューエイジミュージックのはしりというか、あのECM。
ほんとの音楽性とは別の、口当りのよさに秘密があたったみたい。
チューハイ・ブームといっしょですね。
お次は、ラテンです。

           ボサノバも
             バックなしでは
                下手なうた

ものほんのサンバならいいけど、ボサノバていうのは、ほんと、うたが下手な人ほど、このんで唄うみたい。
ほんと、やーね。
で、次もアコースティックギター。

           アール・クルー
             スタジオマンに
                ささえられ

ボサノバっぽい、マイケル・フランクスもそうだけど、アール・クルーも来日して男を下げたクチ。ったく、しょぼい。しょぼい。
バックのサウンドだけで聞かせてたんですね。
でも、考えてみると、それでレコードを買わせちゃった、デイブ・グルーシンの手腕もスゴいね。
しかし、アレンジャーといえば、こんな人もいました。

           マシューズと
             ボブでポシャった
                cti

ctiも、最初のA&Mから配給していたころは良かったけど、独立してからは、どうもパッとしない。アレンジが安易なんだなぁ。
戦犯は、もちろん、デイブ・マシューズにボブ・ジェームス。
あんまうまくないくせに、必ずソロとってでしゃばって。

では、今回、最後の一句。
あんまり、JAZZと関係ないけど、お許しを。

           黒鍵を
             タタいてきみも
                スティービー

ちょっとアブないけど、スティービー・ワンダーって、曲のキーがEbmなんだよね。
理由はわかるヒトにはわかるということで。
また、次回をお楽しみに。

----------------------------------------------------------------------------

好評の内に、このJAZZ川柳シリーズも第3回(といっても、本人はこれぶっ続けで書いているので、あまり関係ないが)。
今回は、いよいよ大物登場。
あの、マイルスをねたにしよーってーんだから、我ながらふてえ輩だ。

じゃ、いきまっせ。

           マーカスに
             カラオケもらって
                "TUTU"作り

ま、前にも話題が出ましたが、あれは、まったくもってマーカス・ミラーのソロアルバムの世界なんですよね。
どーせJAZZファンなんて、マーカスのソロアルバム聞いたことないんだろうけど、知ってる人にとっちゃ「なーんだ」って手の内がばれちゃう。
でもマイルスは、この手のことは常習犯だからね。
はい、お次。

           メロディーも
             吹けるマイルス
                ここにあり

ユア・アンダー・アレスト、最近マイルスのファンになった人には、びっくりものだったみたい。
マイルスは、絶対まともには吹けないんだ、って信じてた奴、おれの知り合いにもいるもんね。
そういう誤解をとくために、"Time After Time"やったという、もっぱらのうわさ。
アメリカじゃ、マイルスの知名度もそのくらいだからね。
で、次の一句。

           アガルタの
             話題出されて
                ニガ笑い

今、あの頃の話題を出されると、彼も困るだろうねー。
「俺は、過去にはとらわれないんだ」とか、カッコいいこと言うかもしれないけど、内心おだやかじゃないよ、きっと。
ふれられたくない部分ですな。でも、同じ事は、一部の耳の利かない評論家にも言えたりして。
と、だんだん過激になってきたので、次行こう。
次は、二句連作で・・・。

           あの頃の
             仲間はみんな
                死んじゃった

           創世紀
             この目で見たのは
                オイラだけ

うむうむ、そうなんですよ。
誰が何と言ったとこで、その頃を身をもって知っているのは、もう、彼しかいないんだから。おとしよりは、大切にしないと。

何か、今回歯切れがわるいな。

じゃ、おもむきをかえて、最後は回文でしめましょう。


  マイルス聞かす。マスかきする、今。


またまた、下世話なネタですいません。
でも、マイルス聞きながらマスかくと、これでさらにビンビンになる人と、へなーっとしなびる人といそうですね。

それじゃ、今回はこの辺で。

-----------------------------------------------------------------------------

では、第四回を行ってみたいと思います。

今回は、日本のミュージシャン篇です。
では、この人から。

           JAZZの技
             捨てて世界の
                香津美あり

だいたい、ジャズギターのテクニックだけでは、およそ、表現力に幅がない(笑)。
これに気がついた渡辺香津美は、それまでの奏法をかなぐり捨て、一から出直して、ロックギターのテクニックを学び出したのでした。"Kyryn"のころですね。
で、その精進の結果、ロックの奏法でジャズっぽいフレーズをひくという、世にもユニークなプレイをあみだし、アメリカ等でも高く評価されるようになったという次第。
なかなか、こういう人は日本のJAZZ界にはめづらしいですね。
カールトンの"So What"も、香津美のニオイがプンプンします
はい、お次。

           ビ・バップを
             サンバで吹けば
                ナベサダに

やっぱり、日本のジャズといえばこの人。ナベサダを忘れることはできません。
でも、彼、いろいろ挑戦するのはいいんだけど、アドリブがみんな一緒なんだよね。ま、正統派だし、うまいことはうまいんだけど、なんかね。
彼は、もう一つ。

           サックスが
             なければタダの
                オッサンだ

と、いうことです。
これは、コメントなし。
次は、なつかしいフュージョンバンドで

           スイングの
             なまりいなたい
                ネイティブ・サン

けっこう名の知れたジャズマンが、つどって結成したフュージョンバンドとして、ライブなんかじゃ結構人気のあった、ネイティブ・サン。
しかし、どうも、フォービートのクセがぬけないらしく、リズムがどうにもタイトでない。なまるんだ。これが、どうにもダサい。
でも、そのなまりに、なんか憎めない、親しみを感じる人もいたりして。
昔の、若い根っこの会とか、歌声喫茶とか、みたいなもんじゃないでしょうか。
もう一っちょ、フュージョンで。

           カシオペア
             着地キマって
                9.8

木を見て森を見ない、小技フュージョンバンドの典型といえば、何と言ってもカシオペア。
様式美の極み。キメがぴたりと決まれば、拍手ご喝采。てな感じで、何なんでし
ょうね、あれ。
いくつかウルトラC技があって、みんな必死になってコピーしたりしてた。
だけど、メロディーとか全体的なリズムのうねりとか、全然ない。
はやく、テーマがはじまらないかな、なんて思っているうちに終わっちゃう。
まだやってんだろーな、彼ら。
困ったもんです。

じゃ、最後。

           長年の
             苦労むくわれ
                ミ・アモーレ

日本じゃ、ラテンというと、どうしてもムード歌謡を連想して、白い目でみられがち。
そんな中で、ほんとのラテンを追いつづけてきた、数少ない人の一人が、松岡直也氏。
フュージョンブームとともに、だんだん脚光を浴びてきたけど、その最大のエポックといえば、レコ大の大賞の作曲者として世に認められたことでしょう。
まさに、彼が戦いつづけてきた、歌謡曲という魔物を制した証ですから。
ほんと、見てて涙が出て来ました。


というわけで、きょうはここまで。
では、また。

-----------------------------------------------------------------------------

てなわけで、サクラの皆様による盛り上げを期待しつつ、週刊JAZZ川柳、第五回
のはじまりはじまり。

今回は、ニューヨーク・スタジオ派JAZZマン篇です。

まずは、この人から。

           ソロだけは
             弾いてくれるな
             スティーブ・カーン

知る人ぞ知る、くねくねフレーズの王者、スティーブ・カーン。
彼も、昔はけっこういろんなセッションでフィーチャーされてたけど、あまりのくねくね度、あまりのワンパターン度に、ついに相手にされなくなっちゃった。
そしてながれながれて、日本だけで"EYEWITNESS" なんちゅうアルバムださしてもらって。
カッティングは、うまい人なんだけどね。

次。ニューヨークといやぁ、やっぱこの人。

           どの曲も
             左手入れば
                俺のモノ

そうです、リチャード・ティー。
彼が、ひとたび左手のオクターブ・ストライドをはじめれば、もう恐いものなし。
オリジナルのリズムも、コード進行も関係ない、独自の世界に没入。
ま、これをつきつめたのが、STUFF だったんだろうけどね。
でも、ニューヨークの夜道で、彼に出会ったら恐いだろうね。
絶対殺されそうな気がするよ、きっと。

で、スタッフといえば、こういう人もいました。

           ゴードンは
             一度と五度で
                世を渡り

Gadd Gang は、彼を追い出すために作ったみたいな、かわいそうな、ゴードン・エドワース。
なんか、まるで、アリスの矢沢透みたい。
ま、それはそれとして、彼のシンプルなフレーズは、なつかしいですね。
でも、リズム感の良さは、絶品なんですよ。

ベーシストでは、もう一人。

           ゴム製の
             弦を使うか
                ゲイリー・キング

いやいや、ボブ・ジェームスといえば、この人。ゲイリー・キング。
でも、まぁ、あのリズム感のダルさもこまりもんですな。
ボブの、不評の半分は、こいつの責任だったりして。

じゃ、今回はこのへんで。

-----------------------------------------------------------------------------

さても、JAZZ川柳シリーズ。
いよいよ、第六回であります。

で、ここんとこ、期末ということもあって、どうにもいそがしく、週一のペース
もままならない、てな感じで、ご迷惑をおかけしております。
反応・反響等が大きければ大きいほど、万難を排して新作をお届けいたしますの
で、どうぞ、よろしく。

さて、今回は、ちょっとおもむきをかえて、フリージャズ。アルバート・アイラーでいってみましょう。
では、いっちょ。

           傷心を
             いやしてくれた
                ヨーロッパ

おなじみ、"My Name Is Albert Ayler" の圧巻、淡々と語られるモノローグ。
アメリカでは、全く受け入れられなかった彼に、やさしく活躍の場を与えてくれヨーロッパのJAZZシーン。
彼がどれほど救われた気分になったかは、"I feel very free" と語るときの、やすらいだ息づかいが語ってくれます。
でも、どうしてフリーっつーと、ヨーロッパなのかな。
むかしっから、やばいですね。

こうして、フリー界での名声を得たアイラー、アメリカに戻ってまいりました。
そこで、次。

           アイラーが
             吹けば隣人
                窓を閉め

しかし、ひさびさのアメリカも、やはり彼には冷たかった。
彼が、サックスを吹きはじめると、同じアパートに住む、隣人達はだまって窓を
閉めるのみだった。
アイラーは、この悔しさをサックスにぶつけ、彼のフレーズは一段と過激の度を深めていった。
そして、ある日、住人のひとりが彼の部屋にどなりこんできた。
「この、へたくそサックス。早くやめねえか。うるせえぞ。」
その男の手には、38口径のリボルバーがにぎられていた(見てきたようなウソ
だな、まったく)。
その次の日。
ハドソン川に浮かぶ、アイラーの射殺体が発見された。

冥福を祈りながら、一句。

           「うるせぇ」と
             鉛の弾を
                ぶちこまれ

ほんと、かわいそうですね。
でも、ま、天才というのは、えてしてそういうもんです。
だけど、今、こういう世紀末的な状況の中こそ、彼に活躍して欲しい舞台なんですがね。
こんな、顔合せも見られたんじゃないでしょうか。

           世が世なら
             ビル・ラズウェルに
                見出され

前にも書いたけど、ビル・ラズウェルって人は、ほんとに怪人をみつけだしてき
て、うまくつかちゃうのが上手。
猛獣の調教師か、はたまた見せ物小屋のオーナーか。
とにかく、きわものというか、フリークス好きですな。
彼なら、絶対アイラーに目をつけたと思うよ。
いまなら、大人気者になってたろうな。
ま、死んじゃったから、惜しまれてる、と言うことかもしれないけど。

最後も、フリーの話題で。

           ピアノでは
             イマいちフリーに
                なりきれず

セシル・テイラーとか、そーとーあぶない、いいフリーのセンス持ってんだけど、やっぱ、ピアノってーのは、フリーにはむかない。
だって、なに弾いたって、平均率じゃちゃんとしたテンションになっちゃうんだもの。つまんない。
なんたって、フリーは周波数の世界でっせ。
単音の、それも、いろんな周波数の音が出る楽器じゃなくちゃね。

てなわけで、今週はここまで。
次のネタをお楽しみに。


(1987年10月)



「パソコン通信創世記の雑文」にもどる


「Content Index」にもどる


はじめにもどる inserted by FC2 system