マルチポスト



なぜ、マルチポストがいけないのか。それは、なんでBBSサービスにいろいろなボードとか、SIGとか、テーマ別に別れたメニューがあるかを考えて見ればわかります。それぞれのボードには、それぞれの話題があり、そこで日常的に書き込んだり読んだりしているメンバーがいます。ここで、何かメッセージを伝えよう、コミュニケーションしようと思っている人がいたとします。その人が、「誰に、何を」コミュニケートしたいのかきちんと分かっていれば、そのメッセージはどのボードに書くのが一番適切か、すぐに理解できます。

ところが、これがわかっていないと、一方的に自分のメッセージをあたりかまわず書きなぐることになります。これが、マルチポストです。つまり、コミュニケーションの基本ができていない人がやることだからマナーに反するし、許されないのです。トラフィック量だけ問題にして「マルチポストはいけないが、クロスポストならいい」というヒトもいますが、ヒマなヒトばかりのjunetの時代ならともかく、今のようにコミュニケーションの幅が広がると、何度も見せられるだけでもうんざりします。どちらにしろ、同じハナシを、同じ形で何度も聴かすというのは、明らかにマナー違反です。

もちろん、同じ情報を、複数のボードに書くことが適切な場合もあります。

しかし、その場合には、同じ文章をアップロードするのではなく、コミュニケートする相手の顔を思い浮かべながら、相手に一番メッセージが伝わるような書き方にすべきです。たとえば、カメラの望遠レンズを売りたい場合、売り買い専門のボードに書く情報と、写真のボードに書く情報、鉄道マニアのボードに書く情報、これらは違っていなければおかしいはずです。

それぞれの場の雰囲気や、そこにいる人達のノリ、それぞれの話の流れにうまく乗るように工夫して書き込むべきなのです。こうして書くなら、これは情報としては同じことを書いていても、決してマルチポストとして批判されるものではありません。そういう意味では、ルールとしてはマルチポストがどうこうという話にはなりません。

ルールというのは、それを守るも守らないも、すべて自分の個人責任の範囲であって、それなりの主張になります。だからこそ腹をくくれば、ヒトを殺すことだって、やろうと思えばできます。これを「確信犯」といいます。ついカッとなってヒトを殺すのは、後悔あるのみですが、確信犯で腹をくくって信念を持ってやる(政治的な暗殺なんてそうですね)殺しなら、美学もあるし、場合によってはヒーローにもなり得るワケです。

で、問題なのは、マルチポスト問題は、ルールがどうこうという「決め」の問題じゃなくて、人間間の「マナー」の問題に属しているからです。マナーというのは、敢えてそれを守ることで、相手に対して敵意ではなく、互いに譲り合う善意の関係を作ろうとするためにあります。そこにコミュニケーションが成り立っていなくては意味がないし、そのコミュニケーションを成り立たせるためにあるのがマナーといえます。つまり、ある人間集団があって、その中でウマく関係性を成り立たせようという意志があってはじめて、マナーは意味を持つのです。

パソコン通信では、技術的に「書き込める」ことと、パソコン通信という「人間のコミュニティー」で、発言権が認められていることとがイコールではありません。ここを間違えてしまうと、とんでもない行動に走ることになりかねません。人間社会のコミュニケーションである以上、守らなくちゃいけないマナー(要は、言いたいヒトが言いたいように書いたのでは、相手とのコミュニケーションは成り立たず、相手がすんなりと読んでくれように書かなきゃ、独り善がりになっちゃうよってこと)があるのは当然ですよね。

たとえば社内で電話をかける場合を考えてみましょう。同じ社内なら、一つの「ビジネス・コミュニティー」のメンバーであるし、そこでのビジネスコミュニティーのルールをわきまえていなくてはおかしいですよね。そういう場合、いろんな質問を社内のいろんなセクションに電話かけまくった上で、担当者からコールバックさせるようなメモを残させますか。そんなヤツいたら、俺は怒る。「質問はいいけど、自分からかけなおすのがものを頼む礼儀だろ」と。

だが、これと近いことが、パソコン通信上だと、なぜか許されるというのは、絶対におかしい。コミュニケーションのマナー(リアル、ヴァーチャル関係なく)をわきまえてない人達から、逆に偉そうなことをいわれるのはたまらないですよ。

これがわかっているひとなら、何も問題は起こさないでしょうね。機械的なマルチポストは、コミュニケーションを否定する者、仮想コミュニティーの破壊者だって、ちゃんとさいしょから気がついているはずですから。

なんか、データベース使うような気分で、人間のコミュニケーションじゃなく、単にマシンを使っているようなノリでは、相手は、答えを書く気も失ってしまうでしょう。もっとも、NIFTYみたいにPay Backがあれば、そういうヒトも一応「お客さん」なので、それなりにSYSOPが面倒見るのでしょうが、ボランティアベースのところでは、ちと困りますよね。「おいおい、それって他人にモノ頼む言い方かよ」みたいな言い方するヒトのために一肌脱ごうってヒトがいるわけはありませんから。


(96/04/22)



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