レスポールの選び方





レスポール探してる人の多くが、一つの基準として「80万ぐらい」、という線をよくあげてお気に入りの一本を探している。ヒストリック・コレクションの値段がベースになってるんだろうけど、80万というのは、なかなか鋭い選択ともいえるし、厳しい選択ともいえる微妙な線です。あれも、これも、というと、ちときつい。しかし、あれか、これか、と狙うポイントを絞れば、まず間違いなく満足のいく1本を手に入れることができるでしょう。

まずは「音」でいくヒト。これはコンバージョンものでしょう。たしかにコンパージョンものなら、80万出せば、完ぺきにオールドレスポールの音が出るものが買えます。54ベースで、ナンバードPUなんて感じなら、ちゃんとした音が出ます。できればトップはがしてリフしたヤツよりは、塗装がオリジナルのヤツを選んだほうがいいでしょう。

あと、「オリジナル」にどれだけこだわるかという問題もあります。コレクターは、フル・オリジナルにこだわります。しかし、パーツの中にはオリジナルがバカみたいに高いものもあります。たとえば、バースト用のクリーム色のエスカッションだけでも、オリジナルの50年代のパーツだと1000ドル以上します。PAFより高い。でも音には関係ない。音で選ぶ利点はこういうところにもあります。

外観でいくなら、文句なしにヒストリックコレクションでしょう。どれをとっても、すばらしい杢だと思います。オリジナルでもあんなにきれいなのは、ほとんどありません。1600本中20本以下です。最もヒストリックのトップはソフトメイプルなので、簡単に比べられるものではありませんが。

ほどほどのバランスを狙うなら、プレミアム・リイシューと呼ばれる、特注モデルを狙うことです。ジミー・ウォーレスモデル、レオズ・ビンテージ、ギタートレーダースモデルといったショップの特注品や、ギブソン社自体が売り出した59 Vintageといったモデルが有名です。これにナンバードなんかのっければ、音も杢目もそこそこ両立できます。

ただ、ここで重要なのは、ヒストリックにしろ、ギタートレーダーにしろ、レオにしろ、マックスにしろ、そこから出てくる音は、どう逆立ちしても、「レスポール本来の音ではない」ということです。もちろん、ヒストリックでいい音のヤツはありますし、マックスも高いのはそこそこのいい音がします。でも、それは「ヒストリックのいい音」、「マックスのいい音」なんですよね。「レスポール本来のいい音」とは全然違います。

たぶん、15分もひいていれば、耳のいいヒトだったら、すぐわかると思いますが、とにかく楽器として違います。もしかすると、ゼップのファースト、セカンドでのジミーペイジのプレイの話じゃないですが、オールドのレスポールは、ヒストリックのレスポールより、オールドのテレキャスターのほうにずっと近いと感じるひともいると思います。音が出方からして違うんです。

シールド直結と、ワイヤレスかました音の違いが感じられる人なら、オールドと新品は、決定的に違います。ある面では、知らないほうがいい泥沼の世界ですから、無理強いはしませんが、ギターのためなら悪魔に魂を売り渡して、人間やめてもいい人なら、フルテンでオールドを弾きまくってみましょう。


(95/12/20)



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